「ライン・フォー・ライオンズ」は、バリトン・サックス奏者ジェリー・マリガンが1952年に作曲した楽曲である。マリガンはクール・ジャズの中心人物であり、マイルス・デイヴィスのBirth of the Coolセッションへの参加やピアノレス・カルテットの革新で知られる。
楽曲はAABA形式・32小節で、キーはB♭メジャー。トランペットとバリトン・サックスが反行(コントラリー・モーション)で始まるメロディが特徴的で、ピアノ不在の編成にもかかわらず、二管の対位法的なインタープレイが豊かなハーモニーを生み出す。クール・ジャズらしい軽やかで抑制の効いたサウンドの中に、洗練された作曲技法が光る。タイトルは西海岸のラジオDJ、ジミー・ライオンズに捧げられたもの。
ジェリー・マリガン・カルテット(チェット・ベイカー、tp)による1952年のライヴ録音が初出で、二人の親密なインタープレイがクール・ジャズの真髄を伝える。マリガンはその後もさまざまな編成でこの曲を再録し、スタン・ゲッツとベイカーの共演盤Line for Lyons(1983年)も名盤として知られる。