「ライク・サムワン・イン・ラブ」は、ジミー・ヴァン・ヒューゼンが1944年の映画Belle of the Yukonのために作曲した楽曲である。ヴァン・ヒューゼンはフランク・シナトラやビング・クロスビーに多くの楽曲を提供したことで知られる、アメリカン・ポピュラー・ソングの名作曲家だ。
楽曲はAABA形式(一部ABAC的な解釈もある)・32小節で、キーはE♭またはCが一般的。冒頭からメロディと低音が反行(コントラリー・モーション)する動きが独特の響きを生んでおり、下降するベースラインの上で旋律が優雅に浮かぶ。この冒頭4小節のハーモニーはミュージシャンによって多様なリハーモニゼーションが施され、演奏ごとに異なる色彩が楽しめるのも大きな魅力だ。バラードからアップテンポまで幅広いテンポで演奏される。
ジョン・コルトレーンのA♭での録音はモダン・ジャズにおける決定的なヴァージョンとして名高い。ビル・エヴァンスのピアノ・トリオによる繊細な解釈や、チェット・ベイカーのアルバムChet Baker Sings(1954年)でのヴォーカル・ヴァージョンも定番として広く親しまれている。