「レスター・リープス・イン」は、テナー・サックス奏者レスター・ヤングが1939年にカウント・ベイシーのカンザス・シティ・セヴンのために書いた楽曲である。ヤングはクール・ジャズの先駆者ともいわれ、軽やかで歌うようなテナーの音色でジャズの歴史を変えた。
本曲はジョージ・ガーシュウィンの「I Got Rhythm」のコード進行に基づくいわゆる「リズム・チェンジ」のコントラファクトで、AABA形式・32小節、キーはB♭メジャー。メロディはシンプルなリフをベースとしており、即興演奏の素材として極めて使いやすい。ヤングのソロ・スタイルは各コードを細かく追うのではなく、キー・センター全体を大きく捉える「水平的」なアプローチが特徴的で、後のモダン・ジャズに多大な影響を与えた。
1939年のカウント・ベイシー・カンザス・シティ・セヴンによるオリジナル録音は、ヤングとベイシーのソロの掛け合いが見事なスウィング・ジャズの金字塔である。この録音はアメリカ音楽のマイルストーンにも選ばれており、ジャズ・ファン必聴の一枚だ。