「レディ・イズ・ア・トランプ」は、リチャード・ロジャースが1937年のミュージカルBabes in Armsのために作曲したナンバーである。ロジャースはロレンツ・ハートとのコンビで数多くのブロードウェイ・ヒットを生み出した、アメリカン・ポピュラー・ソングを代表する作曲家だ。
楽曲はAABA形式・32小節で、キーはCメジャーが一般的。軽快なアップテンポ・スウィングで演奏されるのが定番で、ロジャースらしい洗練された跳躍を含むメロディラインが特徴的。Aセクションのコード進行はI-vi-ii-Vを基調とした王道的なもので、ブリッジではサブドミナント領域へ展開し、楽曲にメリハリを与える。シンプルかつ推進力のあるハーモニーは、ヴォーカルにもインストにも幅広く対応する万能スタンダードといえる。
フランク・シナトラはこの曲を代表的なレパートリーとし、数多くのライヴ録音を残した。エラ・フィッツジェラルドのRodgers and Hart Songbook(1956年)での歌唱も名演として知られる。近年ではトニー・ベネットとレディー・ガガのデュエット版(2011年)が話題を呼んだ。