「ジャスト・イン・タイム」は、1956年のブロードウェイ・ミュージカルBells Are Ringingのためにジュール・スタインが作曲したナンバーである。スタインはブロードウェイを代表する作曲家のひとりで、数々のヒット・ミュージカルを手がけた。
楽曲はAABA形式・32小節で、キーはB♭メジャーが一般的。明るく上昇するメロディラインが印象的で、シンプルなダイアトニック進行を基調としながら、ブリッジ部分でサブドミナント方向への転調を挟むことで楽曲に推進力を与えている。アップテンポのスウィングで演奏されることが多く、メロディの跳躍と軽快なリズムがインプロヴィゼーションの素材として優れている。ジャム・セッションでも好んで取り上げられる一曲だ。
代表的な録音としては、トニー・ベネットの1956年のシングル版が有名で、この曲をスタンダードとして定着させた。フランク・シナトラのアルバムCome Dance with Me!(1959年)での軽快なスウィング・ヴァージョンや、オスカー・ピーターソンの華麗なピアノ・トリオ演奏も定番として知られる。