「At Long Last Love」は、20世紀を代表するソングライターコール・ポーター(1891–1964)が1938年のミュージカルYou Never Knowのために書いた楽曲である。ウィットに富んだ歌詞と洗練されたハーモニーで数多くのスタンダードを生んだポーターの真骨頂といえる一曲だ。
曲は32小節のAABA形式で、通常キーはB♭メジャー。歌詞は全編が問いかけの連続という凝った構成で、メロディにもその洒脱さが反映されている。Aセクションでは半音階的な動きを含むコード進行が展開され、ブリッジではさらにキーセンターが移動して色彩感が増す。軽やかなスウィング感と知的なハーモニーの融合が演奏者に即興の幅を与え、ヴォーカル・インストを問わず楽しめるナンバーである。
代表的な録音として、フランク・シナトラが1957年のアルバムA Swingin' Affair!に収録したスウィンギーなヴァージョンが名高い。器楽ではギタリストグラント・グリーンをはじめ、多くのジャズ・ミュージシャンが取り上げている。