「アイ・ウィシュ・アイ・ワー・イン・ラブ・アゲイン」は、リチャード・ロジャーズが作曲し、ロレンツ・ハートが作詞した1937年のショー・チューン。ブロードウェイ・ミュージカルベイブス・イン・アームズのために書かれた。同作は「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「ザ・レディ・イズ・ア・トランプ」など名曲を多数生んだ傑作ミュージカルである。
32小節のAABA形式で、原調はGメジャー。メロディは軽快な跳ねるようなリズムと、ハートの機知に富んだ歌詞が見事に調和している。恋の苦しみを皮肉たっぷりにユーモラスに列挙する歌詞が特徴的で、失恋の痛みすらも懐かしむという逆説的な内容がジャズ・ヴォーカリストの表現力を刺激する。コード進行は明快なダイアトニック・ハーモニーを基調としており、ミディアム・スウィングからバラードまで柔軟に対応できる。
エラ・フィッツジェラルドの1956年のアルバムElla Fitzgerald Sings the Rodgers & Hart Songbookでの録音は、この曲の決定的なジャズ解釈として名高い。またフランク・シナトラの1957年のヴァージョンも、洗練されたスウィング感で人気が高い。