「アイブ・ゴット・ユー・アンダー・マイ・スキン」は、コール・ポーターが1936年に作曲・作詞した楽曲。ミュージカル映画『踊る騎士(Born to Dance)』の中でヴァージニア・ブルースが歌い、同年のアカデミー歌曲賞にもノミネートされた。
この曲は通常の32小節AABA形式より拡張された56小節の構成を持ち、ポーターの楽曲の中でも構造的に独特である。原調はEbメジャー。Aセクションでは長いフレーズが緩やかに展開し、ブリッジに向けてドラマティックにテンションが高まっていく。コード進行はii-V-Iを基調としつつも、半音階的なインナー・ヴォイスの動きが楽曲に深みを与えている。メロディの歌い回しには広い音域が求められ、歌手の表現力が試される一曲である。
決定的な録音はフランク・シナトラが1956年のアルバムSongs for Swingin' Lovers!でネルソン・リドル編曲のオーケストラと録音したヴァージョン。ラヴェルの「ボレロ」に着想を得たリドルの壮大なアレンジと、ミルト・バーンハートのトロンボーン・ソロは伝説的な名演として語り継がれている。