「Israel」は、トランペット奏者・作曲家のジョン・カリジが書いたマイナー・ブルースの名曲。カリジはグレン・ミラーの陸軍航空隊バンドやクロード・ソーンヒル楽団で活動し、作曲家シュテファン・ヴォルペに師事したことでも知られる。
楽曲は12小節のマイナー・ブルース形式で、キーはDマイナー。通常のブルースとは異なる高度なハーモニック・ストラクチャーを持ち、クール・ジャズの抑制された美意識が凝縮されている。完全4度音程の早期の使用例としても音楽史的に重要で、第9〜10小節にかけて上昇する4度のアルペジオが独特の浮遊感を生む。コンパクトながらもアレンジの可能性に富み、ノネットからピアノ・トリオまで多様な編成で演奏されてきた。
決定的な録音は、1949年のマイルス・デイヴィス・ノネットによるセッション、後にBirth of the Coolとして編纂されたアルバムに収録されている。メンバーにはリー・コニッツ(アルト・サックス)、ジェリー・マリガン(バリトン・サックス)、J.J.ジョンソン(トロンボーン)らが参加。ビル・エヴァンスのピアノ・トリオ版やジェリー・マリガン・コンサート・ジャズ・バンドの演奏も高く評価されている。