「In the Chapel in the Moonlight」は、1936年にソングライターのビリー・ヒルが作詞・作曲したポピュラー・ソング。ヒルは「The Glory of Love」「The Last Round-Up」などのヒット曲で知られ、カントリーとポップスの境界を越えて活躍した作曲家である。
楽曲は32小節のAABA形式で、月明かりの礼拝堂を舞台にしたロマンティックなバラード。穏やかなメロディラインと素朴なハーモニーが特徴で、ジャズの文脈ではスウィング感を加えた中テンポのアレンジや、テナー・サックスによる即興的な解釈が好まれる。コード進行はスタンダードなII-V-Iを基調としつつ、ブリッジでのサブドミナント転調が楽曲に彩りを与えている。
ジャズにおける決定的な録音は、ソニー・ロリンズのアルバムSonny Rollins and the Contemporary Leaders(1958年録音)に収められたバージョンである。ハンプトン・ホーズ(ピアノ)、バーニー・ケッセル(ギター)、リロイ・ヴィネガー(ベース)をバックに、ロリンズが叙情的かつウィットに富んだソロを展開する名演として知られている。