「Indian Summer」はヴィクター・ハーバートが1919年にピアノ曲として作曲したインストゥルメンタル作品で、20年後の1939年にアル・ダビンが歌詞を付けたことでポピュラー・ソングとして広く知られるようになった。同年、トミー・ドーシー楽団の録音がビルボード1位を獲得し、一躍スタンダードの仲間入りを果たした。
形式は32小節のABAC(A-B-A-Cとする分析もある)で、典型的なAABA形式とは異なるユニークな構造を持つ。キーはDbメジャーまたはCメジャーで演奏されることが多い。メロディは広い音域を使ったノスタルジックで歌謡性豊かなラインで、作曲家アレック・ワイルダーが「一つの決まり文句もなく見事に歌い続ける」と絶賛したほどである。ハーモニーにはクロマティックな経過音が随所に織り込まれ、独特の色彩感を生む。バラード〜ミディアム・スウィングで演奏される。
ジャズの録音としてはコールマン・ホーキンスの1945年のテナー・サックス・バージョンが名高い。シドニー・ベシェによる1940年のソプラノ・サックス録音は初期ジャズ・バージョンとして歴史的に重要である。フランク・シナトラとデューク・エリントンの共演盤Francis A. & Edward K.(1968年)での録音もまた味わい深い。