ヴァーノン・デュークが作曲し、E・Y・"イップ"・ハーバーグが作詞した1932年の名曲。ブロードウェイのレビューWalk a Little Fasterのために、パリの舞台セットを活かすべく急遽書かれた。初演で歌ったエヴリン・ホーイが喉を痛めていたため、当初は注目されなかったが、やがて独り歩きして不朽のスタンダードとなった。
楽曲は突然の転調と個性的な和声進行が特徴的で、作曲家アレック・ワイルダーに「完璧な劇場用ソング」と絶賛された。メロディは春のパリの情景を繊細に描き出し、ロマンティックな雰囲気に満ちている。バラードからスウィングまで幅広いテンポで演奏される。
最も有名な録音はカウント・ベイシー・オーケストラのアルバムApril in Paris(1955年)。ワイルド・ビル・デイヴィスのアレンジと、演奏後にベイシーが「One more time!」「One more once!」と叫ぶエンディングが名物となり、ベイシーは1984年に亡くなるまでほぼ毎晩この曲を演奏し続けた。このレコーディングはグラミー殿堂入りしている。チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングスやセロニアス・モンクのソロ・ピアノ版も高い評価を得ている。