「I'll Never Be the Same」は、マティ・マルネックとフランク・シニョレリが共作したインストゥルメンタル曲「Little Buttercup」に、ガス・カーンが歌詞をつけて1932年に発表された楽曲である。ミルドレッド・ベイリーとポール・ホワイトマン楽団による録音で人気を博した。
32小節AABA形式で、一般的なキーはCメジャー。失恋の痛みを歌ったメロディは美しく哀愁を帯び、Aセクションでは半音階的な動きが感情の揺れを繊細に表現している。ハーモニーはスタンダードの中でもやや凝った構成で、コード進行の中に予期しない転調が含まれるため、ソリストに豊かな即興の可能性を提供する。バラードとして演奏されることが多い。
ジャズ史における重要な録音として、1937年のビリー・ホリデイ版が挙げられる。テディ・ウィルソンのピアノ、レスター・ヤングのテナーサックス、バック・クレイトンのトランペットという豪華なメンバーによる共演で、スウィング期の最高峰のレコーディングの一つとされている。