「After You've Gone」は、ソングライター・ピアニストのターナー・レイトンが作曲し、ヘンリー・クリーマーが作詞した1918年のポピュラー・ソングである。レイトンとクリーマーのコンビは「Way Down Yonder in New Orleans」など数々のヒットをブロードウェイやヴォードヴィルの世界に送り出したが、本曲はその中でもっとも広く知られ、ジャズ・スタンダードとして一世紀以上にわたり演奏され続けている。
形式はABAC、コーラスは4小節フレーズが4つに4小節のタグが加わった20小節という、スタンダードとしてはやや珍しい構成を持つ。キーはB♭が一般的。ほぼ毎小節にコードチェンジがある和声的に密度の高い曲で、メロディのキャッチーさと相まって即興演奏の素材として非常に扱いやすい。スウィングからビバップ、ボーカルまで幅広いスタイルで演奏されるジャム・セッションの定番である。
初録音は1918年のマリオン・ハリスによるもの。ジャズの文脈では、1927年のベシー・スミス(コールマン・ホーキンス参加)の力強い歌唱、1935年のベニー・グッドマン・トリオ(テディ・ウィルソン、ジーン・クルーパ)によるスウィング全盛期の名演が特に有名。以降もルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラをはじめ無数のアーティストに取り上げられてきた。