「I Got It Bad (And That Ain't Good)」は、1941年にデューク・エリントンが作曲し、ポール・フランシス・ウェブスターが作詞した楽曲である。エリントン楽団の革新的なミュージカル・レビューJump for Joyのために書かれ、アフリカ系アメリカ人のステレオタイプを打破するという意欲的な作品群の一つであった。
32小節AABA形式で、一般的なキーはGメジャー。Aセクションの穏やかに下降するメロディラインが、片思いの切なさを美しく描き出している。ハーモニーはエリントンらしい洗練されたヴォイシングが随所に現れ、特にブリッジでのコード進行が情感を深める。バラードとして演奏されることが多く、ゆったりとしたテンポの中でソリストの表現力が試される一曲である。
決定的な録音はエリントン楽団による1941年のオリジナル版で、アイヴィー・アンダーソンのヴォーカルとジョニー・ホッジスのアルトサックスが絶品である。セロニアス・モンクは1955年に独自のモダン・ジャズ解釈を披露し、ビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルドの歌唱版も名高い。