「If I Were a Bell」は、フランク・レッサーが作詞・作曲を手がけ、1950年のブロードウェイ・ミュージカルGuys and Dolls(野郎どもと女たち)で披露された。レッサーはこのミュージカルの全楽曲を担当し、トニー賞最優秀ミュージカル作品賞を受賞した。
32小節ABAC形式で、キーはFメジャーが標準。軽快で陽気なメロディは、恋に落ちた喜びを鐘やランプなどの比喩で表現した歌詞と見事にマッチしている。コード進行はii-V-Iを基調としながらも、Bセクションでのサブドミナント方向への展開が楽曲に広がりを与えている。ミディアム〜アップテンポのスウィングで演奏されることが多く、ジャムセッションの定番曲でもある。マイルス・デイヴィスの録音で知られるCペダル上のベル風イントロは、セッションでもよく使われる。
この曲をジャズ・スタンダードとして決定づけたのはマイルス・デイヴィスのアルバムRelaxin' with the Miles Davis Quintet(1958年発売、1956年録音)である。ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという名手が揃ったクインテットの演奏は、今なお多くのミュージシャンの手本となっている。