「アイ・キャント・ゲット・スターティッド」は、ロシア生まれの作曲家ヴァーノン・デュークが作曲し、アイラ・ガーシュウィンが作詞した1936年の楽曲である。レヴュー『Ziegfeld Follies of 1936』でボブ・ホープとイヴ・アーデンにより初演された。邦題は「言い出しかねて」。
32小節のAABA形式で、キーはCメジャーが標準。あらゆる偉業を成し遂げながら、ただ一人の女性の心だけは掴めないという皮肉なラブソングで、アイラの機知に富んだ歌詞が光る。I-vi-ii7-V7の循環進行を基調とし、ブリッジではクロマティックな転調が織り込まれる。メロディはオクターブと4度を越える広い音域を持ち、特にトランペット奏者にとって技巧的な挑戦と表現力を発揮できるショーケースとなっている。
バニー・ベリガンが1937年にヴィクターに録音したバージョンは、トランペットのヴィルトゥオーゾ的名演として1975年にグラミー殿堂入りを果たした。この曲は彼のテーマ曲ともなった歴史的録音である。