「ハウ・ディープ・イズ・ザ・オーシャン」は、アメリカのソングライターアーヴィング・バーリンが1932年に作詞・作曲した作品である。大恐慌のさなか、スランプに苦しんでいたバーリンが過去の未完成曲のフレーズを発展させて完成させ、ルディ・ヴァリーのラジオ放送で紹介されてヒットした。
32小節のAABA形式で、キーはE♭メジャーが標準。歌詞全体が「海はどれほど深い?空はどれほど高い?」という修辞的な問いかけの連続で構成されるユニークな構造を持つ。ハーモニーはマイナーから始まり、下行するクロマティック・ベースラインを伴いながら複雑な転調を繰り返す。ii-V進行の連鎖が次々とトーナル・センターを移動させ、感情の深さを音楽的に表現する巧みな書法が光る。バラードからミディアム・スウィング、ラテン・アレンジまで多彩なスタイルで演奏される。
チャーリー・パーカーが1947年にマイルス・デイヴィス、J.J.ジョンソンらと録音したビバップ・バージョンは歴史的名演。エラ・フィッツジェラルドのElla Fitzgerald Sings the Irving Berlin Song Book(1958年)収録版も定番として広く知られている。