「グッド・モーニング・ハートエーク」は、アイリーン・ヒギンボサムが作曲し、アーヴィン・ドレイクが作詞、ダン・フィッシャーが共作したジャズ・バラードで、1946年1月22日にビリー・ホリデイが初録音した。ドレイクが恋人との別れの悲しみの中でこの曲のメロディを聴き、わずか20分で歌詞を書き上げたという逸話が残る。
本曲はブルージーなメロディと内省的な歌詞が融合した傑作で、失恋の痛みを「毎朝訪れる招かれざる客」として擬人化する詩的な表現が印象的である。和声的にはジャズ・ブルースの要素を取り入れた進行で、マイナーとメジャーの間を行き来する色彩感が、失恋の複雑な感情を巧みに描き出す。ホリデイの即興的なフレージングと深い感情表現は、この楽曲を彼女の代表曲の一つに押し上げた。ヴォーカル・ジャズの重要なレパートリーとして、今日も多くの歌手に愛されている。
ホリデイの1941年の初録音に加え、1955年のトニー・スコット楽団との再録音も名演である。1972年にはホリデイの伝記映画『ビリー・ホリデイ物語』でダイアナ・ロスがカヴァーし、R&Bチャート20位・ポップチャート34位のヒットとなった。