「ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンド」は、アリー・リューベルが作曲しハーブ・マジッドソンが作詞した1937年のポピュラーソングである。タイトルは前年に出版されたマーガレット・ミッチェルの小説『風と共に去りぬ』に触発されたものだが、歌詞の内容は小説や1939年の映画とは無関係で、失われた恋を嘆く内容である。
E♭メジャーを基調とする本曲は、優美な旋律線と豊かな和声進行が特徴で、ジャズ・ミュージシャンに広く愛されるスタンダードとなった。穏やかなテンポで演奏されることが多く、バラードとしての深い表現力を持つ。和声的にはスムーズなii-V進行を多用し、特にギターやピアノのソロ楽器による即興演奏に適した美しいコード進行を提供する。ロマンティックな雰囲気と上品なメロディが、セッションでも頻繁に取り上げられる理由である。
ホレス・ハイト楽団の1937年録音が全米1位を獲得し大ヒットとなった。ジャズにおいてはアート・テイタムとベン・ウェブスターの共演盤The Tatum Group Masterpieces, Volume Eight(1956年)での名演が名高く、ウェス・モンゴメリーのギター演奏もソロ・アーキテクチャーの傑作として高く評価されている。