「ゲット・アウト・オブ・タウン」は、コール・ポーターが1938年のミュージカルLeave It to Me!のために書いた楽曲で、タマラ・ドラシンによってブロードウェイで初演された。同作はメアリー・マーティンのブロードウェイ・デビュー作としても知られる。
形式はAABA・32小節、キーはB♭メジャー。抑制されたメロディの中にポーター特有の知的な感情表現が凝縮されている。Aセクションでは長調と短調の間を漂うような進行が切なさを醸し出し、ブリッジで一瞬視界が開けたあと再び内省的なAセクションに戻る構成が絶妙だ。バラッドからミディアム・テンポまで対応できる柔軟さがあり、歌詞の世界観を活かしたスロー・バラッドで演奏される機会が多い。
エラ・フィッツジェラルドがElla Fitzgerald Sings the Cole Porter Songbook(1956年)で録音したバージョンが代表的。アニタ・オデイのAnita O'Day Swings Cole Porter with Billy May(1959年)や、クリス・コナーのアルバムChris Connor(1956年)に収録されたテイクも、ジャズ・ヴォーカルの名唱として評価が高い。