「フライド・バナナズ」は、ビバップを代表するテナーサックス奏者デクスター・ゴードンが作曲したオリジナル曲である。1969年2月にアムステルダムのパラディソ・クラブで初めて演奏が記録され、以降ゴードンのレパートリーの定番となった。
楽曲はジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲の「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」のコード進行を基にしたコントラファクトで、AABA形式・32小節、キーはE♭メジャー。アップテンポで演奏されることが多く、ゴードン特有の堂々としたタイム感と豊かな音色で歌い上げるメロディが魅力的だ。原曲の持つロマンティックなハーモニーをバップのフレージングで再解釈した、ゴードンらしいウィットに富んだ一曲である。
代表的な録音は、1970年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブで、ピアニストジュニア・マンスとの共演盤に収録されている。また2016年にGearbox Recordsからリリースされた1972年オランダでのライブ盤Fried Bananas(ピアノ:レイン・デ・グラーフ)も、ヨーロッパ時代のゴードンの充実ぶりを伝える貴重な記録である。