「フールズ・ラッシュ・イン」の正式タイトルは「Fools Rush In (Where Angels Fear to Tread)」で、ルーブ・ブルームが作曲、ジョニー・マーサーが作詞し1940年に発表された。ブルームが1936年に「Shangrila」というタイトルで作曲したインストゥルメンタル曲が原型で、出版社の勧めでマーサーが新たに歌詞を書き下ろした。タイトルは18世紀の詩人アレキサンダー・ポープの詩句に由来する。
楽曲はCメジャーを標準キーとする32小節AABA形式のバラードである。流麗なメロディラインは自然なフレージングで歌いやすく、ロマンティックな情感に溢れている。Aセクションのハーモニーはダイアトニックな動きを基調としつつ、ところどころにクロマティックなパッシング・コードが織り込まれ、甘く洗練された響きを生み出している。テンポはスロー・バラードからミディアム・スウィングまで対応可能で、即興演奏の素材としても親しみやすい。
初期の代表的な録音にはグレン・ミラー楽団の1940年のバージョンがある。フランク・シナトラは1947年と1960年に録音しており、1960年のネルソン・リドル編曲によるアルバムNice 'N' Easy収録のバージョンが特に有名。ジャズ・インストゥルメンタルでは、1952年のスタン・ゲッツ・クインテットの録音が、デューク・ジョーダン(p)、ジミー・レイニー(g)らとの繊細な演奏で知られている。