「フォギー・デイ」は、ジョージ・ガーシュウィンが作曲し、兄アイラ・ガーシュウィンが作詞したスタンダードで、正式タイトルは「A Foggy Day (In London Town)」。1937年のRKO映画A Damsel in Distressでフレッド・アステアが歌い、アステアの録音はポップ・チャート3位を記録した。
楽曲はFメジャーを標準キーとし、通常の32小節より2小節長い34小節の形式を持つ点がユニークである。ミディアム・スウィングのテンポで演奏されることが多く、霧深いロンドンの情景を音楽的に表現している。Aセクションではガーシュウィンらしい洗練されたダイアトニック進行が展開され、ブリッジでは独特のハーモニック・プログレッションが際立つ。メロディは叙情的でありながらリズミカルな推進力も持ち合わせ、バラードからアップテンポまで幅広い解釈が可能である。
ジャズの名録音としては、1959年のエラ・フィッツジェラルドによるElla Fitzgerald Sings the George and Ira Gershwin Song Bookが代表的。1955年にはチャールズ・ミンガス・クインテットがカフェ・ボヘミアでのライブで取り上げ、マックス・ローチとの共演による力強い演奏を残している。フランク・シナトラの多くの録音も、この曲の定番として広く親しまれている。