「イージー・トゥー・ラブ」は、コール・ポーターが作詞・作曲し、1936年のMGM映画Born to Danceでジェームズ・スチュワートとエレノア・パウエルにより歌われたロマンティック・バラードである。元々は1934年のブロードウェイ・ミュージカルAnything Goesのために書かれたが、声域が広すぎるとして出演者に却下され、映画用に書き直された経緯を持つ。
キーはB♭メジャー、32小節のABAC形式で、ポーターらしい優雅で洗練されたメロディが特徴である。Aセクションはii-V-Iを基調としたスムーズな進行で、メロディの上昇ラインが恋心の高揚をそのまま描き出す。BセクションとCセクションでは和声の変化が加わり、特にCセクションのクライマックスに向けた盛り上がりが印象的である。トーナリティは一貫してメジャー・キーの温かさに満ちており、初心者にも取り組みやすいスタンダードとして多くのジャズ教育の場で推奨されている。
ビリー・ホリデイが1936年にテディ・ウィルソン楽団と録音した版が初期の名演として知られる。エラ・フィッツジェラルドのポーター・ソングブック収録版や、チェット・ベイカーのインストゥルメンタル版も、それぞれ異なる魅力を伝える代表的な録音である。