「イージー・リビング」は、ラルフ・レインジャーが作曲、レオ・ロビンが作詞し、1937年のパラマウント映画Easy Livingのために書かれたバラードである。映画ではオーケストラによるインストゥルメンタルとしてのみ使用されたが、同年6月1日にビリー・ホリデイがテディ・ウィルソン楽団と録音し、Billboardチャートに2週間ランクインしたことでジャズ・スタンダードとしての地位を確立した。
キーはE♭メジャー(リード・シートではFメジャーに移調されることも多い)、32小節のAABA形式。穏やかに揺れるメロディは恋する喜びをそのまま音にしたような温かさを持ち、特にAセクションのなだらかな上昇ラインが印象的である。ブリッジではE♭からBへの大胆な転調が施されており、ハーモニーに意外性と深みを与えている。バラードとして演奏されることが多く、歌い手やソリストの表現力が存分に試される名曲である。
ホリデイの1937年録音にはレスター・ヤング(ts)、バック・クレイトン(tp)が参加。クリフォード・ブラウンが1953年にセクステットで録音したインストゥルメンタル版(Memorial Album収録)も、トランペットの温かいトーンが光る名演として知られる。