「ドキシー」は、ソニー・ロリンズが作曲し、1954年6月29日にニュージャージー州ハッケンサックのヴァン・ゲルダー・スタジオでマイルス・デイヴィスのセッションにおいて初録音されたハード・バップの名曲である。この録音は10インチLPMiles Davis with Sonny Rollinsに収められ、後に1957年のアルバムBags' Grooveにも収録された。
キーはB♭メジャー、16小節の簡潔な形式で、ボブ・カールトンの「ジャ・ダ」のコード進行を下敷きにしている。メロディはGマイナー・ペンタトニック・スケールを主体とした下降ラインで始まり、ブルージーかつリフ的なシンコペーションが心地よいグルーヴを生む。各Aセクションでメロディのニュアンスが微妙に変化する点も特徴的で、ミディアム・スウィングのテンポとあいまって、ジャム・セッションの定番として広く愛されている。16小節という短い形式が即興の自由度を高め、初心者から上級者まで楽しめる。
初録音のメンバーはマイルス・デイヴィス(tp)、ソニー・ロリンズ(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、パーシー・ヒース(b)、ケニー・クラーク(ds)。ロリンズは後に自身のレコード・レーベルを「Doxy Records」と名づけるほどこの曲に愛着を持っている。