「ドント・ウォリー・ボウト・ミー」は、ルーブ・ブルームが作曲、テッド・ケーラーが作詞し、1939年のコットン・クラブ・パレード(ワールドズ・フェア版)でキャブ・キャロウェイ楽団により初演されたバラードである。同年のハル・ケンプ楽団による録音がヒットし、ポピュラー・ソングとして定着した。
キーはA♭メジャー、32小節のAABA形式による流麗なバラードで、なだらかに上下する叙情的なメロディが特徴的である。コード進行はスタンダードなii-V-Iの連なりを基調としながら、各フレーズの着地点に微妙なハーモニックの変化を持たせており、歌い手や即興演奏者にとって繊細なフレージングと豊かなダイナミクスを引き出しやすい構造となっている。別れの場面で相手を気遣う歌詞の温かさが、楽曲全体に優雅な哀愁を与えている。
フランク・シナトラは1953年の録音(ネルソン・リドル編曲)で大きなヒットを記録し、アルバムThis Is Sinatra!(1956年)やSinatra at the Sands(1966年)でも取り上げた。ビリー・ホリデイが1959年にレイ・エリス楽団と録音した版は、彼女の最後のレコーディング・セッションの一つとして知られる。