「デイ・ドリーム」は、ビリー・ストレイホーンが1939年に作曲し、ジョン・ラトゥーシュが作詞した美しいバラードである。原盤のレーベルにはデューク・エリントンが共作者としてクレジットされているが、実質的にはストレイホーンの単独作品とされている。
形式は32小節AABA。エリントン楽団が1939年春のヨーロッパ・ツアーに出発した後、ハーレムに残ったストレイホーンが約7週間の自由な時間の中で作り上げた作品の一つである。Aセクションでは夢見るように甘美なメロディが緩やかに流れ、ブリッジでは和声的な色彩が変化して感情の奥行きを深める。アルトサックスのバラード・フィーチャーとして演奏されることが多く、テンポは約72BPMと非常にゆったりしている。ストレイホーンらしい繊細な和声感覚とクラシック音楽の素養が随所に感じられる名品だ。
初録音は1940年11月2日、アルトサックス奏者ジョニー・ホッジスのアンサンブルによるもので、ホッジスの艶やかな音色がこの曲の魅力を最大限に引き出した決定的な名演として知られる。エリントン楽団のアルバムDuke Ellington Presents...(1956年)でもホッジスをフィーチャーした演奏が収録されている。ヴォーカル・ヴァージョンではサラ・ヴォーンのThe Duke Ellington Songbook, Vol. 1(1979年)が名高い。