「ダット・デア」は、ボビー・ティモンズが作曲した1960年のソウル・ジャズを代表するナンバーである。ティモンズは「モーニン」「ディス・ヒア」と並ぶこの曲で、1950年代末から60年代初頭にかけてのゴスペル色豊かなソウル・ジャズ・スタイルの確立に大きく貢献した。
キーはFメジャー(演奏によって異なる場合がある)。明るく弾むようなメロディは、ゴスペルやブルースのフィーリングとビバップの語法を融合させたティモンズ独自のスタイルを反映している。後にオスカー・ブラウン・Jr.が歌詞を付け、動物園を訪れた子どもの好奇心と父親の感慨を描いた内容は曲の愛らしい雰囲気とよく合致する。ミディアム・スウィングで演奏されることが多く、キャッチーなリフと親しみやすい構成がセッションでも人気を集めている。
ティモンズ自身のリーダー・デビュー作This Here Is Bobby Timmons(1960年1月録音、サム・ジョーンズ、ジミー・コブとのトリオ)が最初の録音。直後にアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバムThe Big Beat(1960年3月録音)でも取り上げられ、こちらの力強い演奏も広く知られている。ヴォーカル版ではオスカー・ブラウン・Jr.のアルバムSin & Soul(1960年)が決定的な名唱として名高い。